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8.22024
慢性炎症と漢方①
最近では、老化だけでなく、糖尿病、がんなどの現代人に増えている病気には「慢性炎症」という状態が関わっていることが分かっています。
- 慢性炎症とは?
慢性炎症は、体の免疫系が長期間にわたって過剰に反応する状態を指します。炎症は体が外部の攻撃(ウイルスや細菌)や内部の損傷(細胞の損傷)に対抗するための防御機構ですが、この反応が持続すると、組織の損傷や疾患の発生につながります。慢性炎症は、心血管疾患、糖尿病、がん、アルツハイマー病など、さまざまな慢性疾患の根底にある重要な要素とされています。炎症が続くことで、細胞がダメージを受け、正常な機能が失われることがあるため、早期の対策が重要です。 - 慢性炎症に対する漢方のアプローチ
漢方医学では、慢性炎症を「熱」と捉えます。そして体内の「熱」を改善することを「清熱」と言います。
「熱」といっても必ずしも熱や赤みを帯びたり、実感できる訳ではありません。
漢方薬は組織レベルで発生した体内でくすぶっている「熱」を鎮め、正常な組織へと導くと考えられています。 - 慢性炎症に有効な漢方薬の例
慢性炎症に対する漢方薬は数多く存在し、生薬の組み合わせによって効果が発揮されます。炎症を抑える代表的な生薬には以下のものがあります:
黄芩(おうごん): 抗炎症作用があり、特に肝臓やの炎症を抑える効果があります。
柴胡(さいこ): 気の流れを整え、肝臓の健康をサポートすることで、全身の炎症を軽減します。
黄連(おうれん):抗炎症作用があり、特に身体上部の炎症に用います。
山梔子(さんしし):心胸部の熱を乗り除く働きがあります。
甘草(かんぞう):抗炎症作用があり、特に咽喉の腫痛などに用います。
これらの生薬の組み合わせてつくられる「黄連解毒湯」や「小柴胡湯」など体内の「熱」を改善する漢方薬が用いられます。
- 漢方による慢性炎症治療の実践
漢方治療は、一人一人の体質や症状に合わせたオーダーメイドのアプローチが特徴です。まず、患者の具体的な症状、生活習慣、体質を総合的に評価し、最適な漢方薬の組み合わせを処方します。定期的な漢方的診断を通じて効果を評価しながら調整します。漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、食事や生活習慣の改善も重要です。これにより、慢性炎症の原因となる要因を根本から取り除くことを目指します。
次回は、慢性炎症の原因と改善のための食事についてお伝えします。
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