ブログ

慢性炎症と漢方①

慢性炎症

最近では、老化だけでなく、糖尿病、がんなどの現代人に増えている病気には「慢性炎症」という状態が関わっていることが分かっています。

  1. 慢性炎症とは?
    慢性炎症は、体の免疫系が長期間にわたって過剰に反応する状態を指します。炎症は体が外部の攻撃(ウイルスや細菌)や内部の損傷(細胞の損傷)に対抗するための防御機構ですが、この反応が持続すると、組織の損傷や疾患の発生につながります。慢性炎症は、心血管疾患、糖尿病、がん、アルツハイマー病など、さまざまな慢性疾患の根底にある重要な要素とされています。炎症が続くことで、細胞がダメージを受け、正常な機能が失われることがあるため、早期の対策が重要です。
  2. 慢性炎症に対する漢方のアプローチ
    漢方医学では、慢性炎症を「熱」と捉えます。そして体内の「熱」を改善することを「清熱」と言います。
    「熱」といっても必ずしも熱や赤みを帯びたり、実感できる訳ではありません。
    漢方薬は組織レベルで発生した体内でくすぶっている「熱」を鎮め、正常な組織へと導くと考えられています。
  3. 慢性炎症に有効な漢方薬の例
    慢性炎症に対する漢方薬は数多く存在し、生薬の組み合わせによって効果が発揮されます。炎症を抑える代表的な生薬には以下のものがあります:

黄芩(おうごん): 抗炎症作用があり、特に肝臓やの炎症を抑える効果があります。
柴胡(さいこ): 気の流れを整え、肝臓の健康をサポートすることで、全身の炎症を軽減します。
黄連(おうれん):抗炎症作用があり、特に身体上部の炎症に用います。
山梔子(さんしし):心胸部の熱を乗り除く働きがあります。
甘草(かんぞう):抗炎症作用があり、特に咽喉の腫痛などに用います。

これらの生薬の組み合わせてつくられる「黄連解毒湯」や「小柴胡湯」など体内の「熱」を改善する漢方薬が用いられます。

  1. 漢方による慢性炎症治療の実践
    漢方治療は、一人一人の体質や症状に合わせたオーダーメイドのアプローチが特徴です。まず、患者の具体的な症状、生活習慣、体質を総合的に評価し、最適な漢方薬の組み合わせを処方します。定期的な漢方的診断を通じて効果を評価しながら調整します。漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、食事や生活習慣の改善も重要です。これにより、慢性炎症の原因となる要因を根本から取り除くことを目指します。

    次回は、慢性炎症の原因と改善のための食事についてお伝えします。


伝統漢方火の鳥ではお客様一人ひとりの体質や症状に合った漢方薬をオーダーメイドで調合しております
店舗は東京都多摩地域、八王子・立川・昭島・日野にございます。ご予約はこちらからどうぞ。

また、薬局火の鳥全店で初回のお客様限定のキャンペーンを実施中です!詳細はこちらから

メールやお電話でのリモート相談および全国配送も行っております。
(※海外への発送も再開しております。気兼ねなくご相談ください。)

関連記事

コメントは利用できません。
ページ上部へ戻る