心不全とは?
心不全は、心臓が十分に血液を体に送り出せなくなる状態です。心臓は体中に血液を送るために収縮と拡張を繰り返し、それによって酸素や栄養を体の細胞に届けます。しかし、心不全ではこのポンプの働きが弱まり、体全体に必要な血液が不足してしまいます。
具体的な症状としては、左心不全の場合は肺うっ血による症状(息切れや動悸、疲労感など)、右心不全の場合は静脈血のうっ血による症状(手足のむくみ、肝脾大、腹水、頸静脈怒張など)が出現し、左心不全の状態が続くと右心不全を併発することがありますこれらの症状は日常生活に支障をきたし、重症化すると予後が悪くなるため、軽症のうちにしっかりと治療することが重要です。
漢方医学における心不全の治療
漢方においてうっ滞した血液のことを「瘀血」といいます。
心臓を中心とした瘀血により血液が十分に臓器に行き渡らない状態は、肝臓や肺、血管内部の炎症や、血液成分の不和による体内の水分貯留などさまざまな病態を生み出します。
慢性的な炎症を漢方では「熱」、体内に水分が貯留することを「水毒」といいますが、瘀血と共にそれらも併せて治療していくことで心不全症状を改善します。