慢性腎臓病とは?
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の機能が低下し、尿にタンパク質が出る状態が3か月以上続く病気です。腎臓の働きが健康な人の60%未満に低下するか、タンパク尿が出るといった腎臓の異常が続く状態を指します。
慢性腎臓病の初期には症状がほとんど現れませんが、進行すると以下の症状が現れます。
・たんぱく尿(泡立つ尿)
・血尿
・むくみ(特に足や顔)
・高血圧
・倦怠感
・食欲不振
・夜間尿
慢性腎臓病が進行して腎臓の機能が著しく低下し、体内の老廃物や余分な水分を排出できなくなると、最終的には透析治療が必要となります。
血液透析などによって機械を使って血液の浄化を定期的に行わなければならなくなるため、日常の生活にかなりの制限がかかってしまいます。
そうしたQOL低下が絡む重大な疾患のため、早期の治療が非常に重要です。
漢方医学における慢性腎臓病の治療
漢方では慢性腎臓病を「腎虚」としてとらえることが多いです。
漢方の五臓(肝、心、脾、肺、腎)の中で、腎は生命エネルギーを司る重要な臓器とされていますが、腎機能が低下し、体内の水分バランスやエネルギーの調整がうまくいかなくなることで様々な症状を引き起こします。
また、「水毒(すいどく)」と呼ばれる状態も慢性腎臓病の悪化に繋がると考えられています。
体内の水分代謝が障害され、余分な水分が滞留する事で腎臓に悪影響を及ぼします。
それに加え、腎虚によって血液循環が悪くなった状態を示す「瘀血(おけつ)」によって血管が脆くなったり詰まったりすることも原因となるケースもあります。
これらの病態は、単独で起きる場合もあれば複数のものが複雑に絡み合って生じる場合もあるため、お一人おひとりのご体質に合わせて漢方をおつくりし、継続して服用する事で慢性腎臓病の体質を根本から治療する事が可能となります。