高血圧とは?
血圧は大きく分けて次の5つの要因で決まります。
①心拍出量
心臓が一回の拍動で血液を送り出す量
②循環血液量
体の中を循環している血液の量
③大動脈の弾力
血管の弾力性が失われたり、血管壁に沈着物が停滞することで動脈硬化が進んでいる状態
④末梢血管抵抗
毛細血管に血液が流れ込む際の流れにくさ
⑤血液の粘稠度
血液中の固形成分の割合が増加し血液が流れにくくなる状態
高血圧とは、これらの要因に基づき、血液が血管の壁にかかる圧力が通常よりも高い状態のことです。血圧は心臓が血液を体に送り出す際に血管にかかる圧力を示し、それぞれ最高(収縮期)と最低(拡張期)の数値で表されます。高血圧は通常、収縮期血圧が140 mmHg以上、拡張期血圧が90 mmHg以上で診断されます。
高血圧は沈黙のキラーとも言われ、初期段階では症状がほとんどなく、長期間放置すると心臓や血管に悪影響を及ぼし、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な病気のリスクが高まることがあり、早期の発見と適切な管理が重要です。
漢方医学における高血圧の治療
漢方において高血圧の原因は主に次の4つを考慮します。
1.水毒
2.瘀血
3.自律神経の乱れ
4.熱
「水毒」とは体の中に余分な水分(血液以外の液体)が溜まっている状態であり、「瘀血」とは血液中に過剰・不要な物質が増加することで血液の粘性度が上がっている状態です。また高血圧における「自律神経の乱れ」とは交感神経の異常亢進による心臓収縮の亢進です。「熱」とは炎症のことでさまざまな要因により慢性的に傷ついた血管における炎症を指しています。
これらは食生活・環境・加齢などの影響により単一または複数の原因が重なり発生する可能性があります。
漢方治療では漢方的診断により原因を把握し、それぞれに対応した効能のある生薬を配合した漢方薬を選択し治療していきます。