胃下垂・胃アトニーとは?
胃下垂は、胃が正常な位置よりも下がっている状態を指します。通常、胃は上腹部に位置していますが、胃下垂では胃が下腹部にまで垂れ下がることがあります。
主な症状は以下の通りです。
・消化不良
・胃もたれ
・腹部膨満感
・食欲不振
・胸焼け
・げっぷ
・便秘
主な原因としては、筋力低下、痩せ型体質や長身の人、猫背など姿勢の悪さ、ストレスが挙げられます。
胃アトニー(胃無力症)
似た症状を持つものとして「胃アトニー(胃無力症)」があります。これは、胃壁の筋肉が緩んで無力化し、胃の消化作用や運動が鈍くなる状態を指します。病態の成り立ちは異なるものの、自覚症状は胃下垂とほぼ共通して現れます。また、胃下垂が進行すると、胃アトニーが発症することが多いと言われています。
漢方医学における胃下垂・胃アトニーの治療
漢方では、胃下垂は「脾胃虚弱」として理解されることが多いです。ここでの脾胃とは広く消化器系を指し、その機能が低下することで胃を支える力が弱くなる状態を意味します。
また、「気虚」と呼ばれる状態も胃下垂の悪化に繋がると考えられています。気が不足することで内臓(特に胃)を持ち上げる力が弱まり、これにより胃を正常な位置で支えきれず、胃下垂に発展すると言われています。
これらの病態は、単独で起こる場合もあれば、複数の要因が複雑に絡み合って生じることもあります。そのため、お一人おひとりの体質に合わせた漢方をおつくりし、継続して服用いただくことで、胃下垂の根本的な治療が可能です。