機能性ディスペプシアとは?
ディスペプシア(dyspepsia)は、上腹部の痛み、不快感、膨満感、早期飽満感、悪心・嘔吐などの症状全般を指す言葉です。背景に明らかな原因となっている器質的疾患がみとめられない場合、「機能性ディスペプシア」といわれます。
食後のもたれ感を頻繁に感じたり、食事してもすぐに満腹に感じてしまうといったことが続いている場合には機能性ディスペプシアが疑われます。みぞおちあたりの痛みや硬さのようなものを自覚することもあります。画像診断や血液検査、内視鏡検査等でも異常が見つからないためなかなか対処が難しい疾患です。
漢方医学における機能性ディスペプシアの治療
漢方においては、機能性ディスペプシアは「脾胃虚弱」が原因ととらえることが多いです。ここでの脾胃とは広く消化器系を指し、その機能が低下することで胃の内容物が逆流しやすくなる状態を意味します。
また、「痰湿(たんしつ)」と呼ばれる状態も逆流性食道炎を悪化させる要因とされています。痰湿とは、消化機能の低下や代謝の乱れが原因で、体内に余分な水分や老廃物が溜まり、粘性のある痰飲や湿気が体内に蓄積される状態を指します。そのほか、ストレスや疲労といった「気(≒自律神経系)」の乱れによって脾胃を障害しているパターンも散見され、抗ストレス作用のある生薬が活躍する場面を多いのが特徴です。
これらの病態は、単独で生じる場合もあれば、複数の要因が複雑に絡み合って起こることもあります。そのため、お一人おひとりの体質に合わせた漢方をおつくりし、継続して服用することで、機能性ディスペプシアの根本的な治療が可能です。