春から初夏にかけてのこの季節、なんとなく体調がすぐれない、頭痛が増えた、関節が重だるい──そんな声をよく耳にします。実はこの時期は「気象病」が頻発しやすい季節。気圧や気温、湿度の変化が目まぐるしいこの時期こそ、心身を整えるための「養生」が大切です。
気象病とは?
気象病とは、天気の変化によって引き起こされるさまざまな体調不良の総称です。特に梅雨入り前後のこの時期は、朝晩の寒暖差や低気圧、湿度の上昇が重なり、体調を崩す方が増えやすくなります。主な症状には、頭痛、めまい、耳鳴り、関節痛、倦怠感、気分の落ち込みなどがあり、人によって現れ方はさまざまです。
自律神経の乱れがカギ
この時期に体調が崩れやすいのは、自律神経の乱れが一因です。自律神経は、体温調節や血圧、内臓の働きなどを無意識にコントロールしている神経ですが、気圧や気温の変化に影響されやすい特性があります。特に低気圧が続くと、交感神経の働きが弱まり、体がだるく感じたり、血流が滞って頭痛やむくみを引き起こしやすくなります。
免疫力も低下しやすい季節
季節の変わり目は、免疫力も揺らぎやすい時期です。寒暖差や湿気、睡眠不足などの影響で自律神経が乱れ、それが免疫系の働きにも影響を及ぼします。その結果、風邪をひきやすくなったり、慢性症状が悪化したりと、体のさまざまな「弱さ」が表面化しやすくなります。
養生の基本は「めぐらせて、ととのえる」
こうした気象病に備えるためには、日々の養生がとても重要です。
- 運動:軽いストレッチやウォーキング、ヨガなどで体を動かすことは、自律神経の安定に効果的です。特に朝の時間帯に太陽を浴びながらの運動は、体内時計をリセットし、自律神経の切り替えをスムーズにしてくれます。
- 食養生:湿気の多い季節は、体に余分な「湿(しつ)」がたまりやすくなります。漢方の視点では、体の「水はけ」をよくする食材──例えば、はと麦、冬瓜、小豆、生姜、香味野菜などを取り入れると良いとされています。消化を助ける温かい食事も、胃腸と気の巡りを整える鍵です。
漢方医学での気象病の捉え方
漢方医学では、気象の影響による不調は「外邪(がいじゃ)」の侵入によるものと捉えます。たとえば、梅雨時期には「湿邪(しつじゃ)」が体に入り込み、だるさや重さ、関節の痛みなどを引き起こすと考えます。また、急激な気温差が「風邪(ふうじゃ)」「寒邪(かんじゃ)」として働くこともあります。
こうした「邪」から身を守るためには、お一人おひとりの体質に合わせた漢方をおつくりし、身体内の「巡り」を良くしておくことが有効です。症状だけでなく、その背景にある体質や生活習慣も踏まえて、漢方では総合的なアプローチを行います。
今こそ「整える」タイミング
気象病は、この時期特有の気象の変化に体がついていけず起こる「サイン」ともいえます。そのサインに耳を傾け、自律神経や免疫力を整える生活を意識することが、健やかな毎日を支える第一歩になります。
季節に逆らわず、調和する暮らし方を。日々の養生、食事、運動、そして必要に応じた漢方の活用で、この気象病のシーズンを健やかに乗り越えていきましょう。
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