今回は「アトピー性皮膚炎」の方の症例報告をします。
（※プライバシーに配慮し、一部の情報を変更しております）

ご相談者は40代女性です。

【症状と経緯】
更年期の時にピークを迎えたが、今もストレスを感じたり、汗をかいた場所が痒くなるといった事あり。
季節的には春先が特にひどくなりやすい。
痒い場所に水疱が出来やすいが、基本的には乾燥肌。
好発部位は左手の掌と指先、足首、足先。

【体質】
下半身のむくみ。
汗は背中に特にかきやすい。
のどが渇きやすく、水分をよく摂る。
舌候は乾燥傾向で黄味がかった白苔あり。舌裏の血管はくっきりと目立っている。

【実際の提案と経過】
皮膚にまで漏れ出てしまうほどに体内に水分が溜まっている「水毒体質」に原因があると考え茯苓（ぶくりょう）など、水毒を改善する生薬類を調合しました。

服用後2ヶ月を経過した頃から汗が出ても手の痒みが悪化しなくなってきたそうです。
また、水疱もなくなったとの事でした。

一方で、乾燥肌について好反応が見られず、再度問診を行ったところ、患部が熱を持っている事を確認。

これが皮膚の潤いを妨げている原因になっていると考え、黄連（おうれん）、地黄（じおう）等の生薬を追加し、体質改善の治療を継続しました。

漢方治療開始から5ヶ月が経過した頃から患部の熱っぽさが取れ始め、カサカサと乾燥している範囲が徐々になくなってきているとの事でした。

1年が経過した現在も、病院の薬になるべく頼らずに漢方だけで解決しようと奮闘されています。
（報告おわり）

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