冬になると、「なんとなく体が重い」「風邪をひきやすい」「手足が冷えて眠りづらい」といった不調を感じる方が増えます。漢方の世界では、冬は“閉蔵（へいぞう）”の季節とされ、自然界がエネルギーを内側にため込むのと同じように、人の体も「蓄える」ことが大切になる時期です。積極的に動き回るより、体力を守りながら免疫力を底上げすることが求められます。今日は、漢方的な視点から、冬に意識したい生活習慣をご紹介します。
■「腎」をいたわる冬の養生
漢方では、冬は“腎”と深い関わりのある季節です。腎は生命力の源を蓄える臓腑で、冷えの影響を特に受けやすい場所でもあります。腎が弱ると、疲れやすさ、足腰のだるさ、むくみ、さらには免疫力低下など多岐にわたる不調が生じます。
腎をいたわるために大切なことは、「冷やさない」「無理をしない」の2つです。足首・腰まわりを温めるだけでも腎の働きを助けてくれます。カイロを腰の少し上、背骨の脇に貼るのもおすすめです。
■体を内側から温める食材選び
冬は食事の力を借りて体を温めるのも効果的です。漢方では、黒い食材は腎を補うとされ、黒ごま、黒豆、ひじき、しいたけなどが冬にぴったり。また、体を温める作用があるしょうが、ねぎ、にんにく、シナモンなども積極的に取り入れたい食材です。
ただし、刺激が強い食材は量が過ぎると負担になることも。普段の食事に少しずつ取り入れ、体が心地よく感じる量を見つけることが大切です。
■質のよい睡眠で免疫力を回復
冬は早寝早起きが理想です。自然界が静かに休むように、私たちの体も夜はしっかり「休むモード」に切り替わります。睡眠は免疫細胞の調整や体力の回復に欠かせません。寝る前のスマホは控え、白湯を一杯飲んで体を温めるだけでも、入眠しやすくなります。
■軽い運動で気血の巡りを整える
冬は運動不足になりやすい季節ですが、血の巡りが滞ると冷えが悪化し、免疫力も落ちてしまいます。激しい運動でなくても、散歩、ストレッチ、ゆるいヨガなど、毎日10〜15分ほど体を動かすだけで十分です。特に朝日を浴びながらの散歩は体内時計を整え、心のリズムも安定させます。
■無理をしない、ため込まない
冬の養生で案外忘れられがちなのが「心のケア」です。腎は恐れや不安と関係すると言われ、精神的なストレスが続くと働きが弱まりやすくなります。忙しい時期こそ深呼吸を心がけ、ひと息つく時間をつくることが、結果的に免疫力を支えることにつながります。
冬は、生命力を蓄え、春に向けて準備をする大切な季節です。今年の冬は、体をいたわりながら、自分に合ったペースで過ごしてみてください。小さな習慣の積み重ねが、元気に冬を乗り切る力になってくれるはずです。
伝統漢方火の鳥ではお客様一人ひとりの体質や症状に合った漢方薬をオーダーメイドで調合しております。
店舗は東京都多摩地域、八王子・立川・昭島・日野にございます。
ご予約はこちらからどうぞ。ご予約なしでもご来店OKです。
メールやお電話でのリモート相談および全国配送も行っております。
（※海外への発送も再開しております。気兼ねなくご相談ください。）
コメント