現代社会において、ストレスは避けがたい存在です。仕事や人間関係、生活環境の変化など、さまざまな要因が私たちの心と体に影響を与えています。ストレスがかかると、体はアドレナリンやコルチゾールといったストレスホルモンを分泌し、これにより心拍数が増加し、血圧が上昇します。この反応は「闘争か逃走」の反応とも呼ばれ、危機的な状況に対する自然な反応です。しかし、慢性的なストレスが続くと、これらのホルモンが常に高い状態になり、自律神経のバランスが崩れ、心身にさまざまな問題を引き起こすことになります。
慢性的なストレスがもたらす問題
ストレスが慢性化した場合、ストレスに対して身体の生体防御を行うホルモンであるコルチゾールの分泌が増加します。そのコルチゾール需要に追いつかなくなると分泌臓器である「副腎」は疲弊し、〔副腎疲労〕と呼ばれる状態に陥ることがあります。副腎疲労になると、漢方では「腎(じん)」が傷害された状態と考え、身体的・精神的に力が出ない状態を底上げをする治療を行います。「腎」は単に腎臓を指しているのではなく、生命の根幹となる臓器の総称です。(※副腎疲労は正式な病名ではなく、医療関係者の中でも見解が分かれます。しかし、副腎疲労と呼ばれるような心身の状態を漢方的に捉えることは可能と考えます)
以下の項目で、副腎が疲労していないかチェックしてみましょう。
・朝起きるのがつらい
・疲れがとれない
・塩辛いものが無性に食べたくなる
・倦怠感がある
・日常的なことにとても疲れる
・性欲が低下した
・ストレスに対処できない
・病気や怪我やトラウマから回復するのに時間がかかる
・頭がクラクラする
・人生の全てがむなしい
・軽度のうつ
・カフェインがないと仕事ができない
・思考が定まらず、ボーッとする
・記憶があやふや
・午前中は寝ていたい。午後ぼんやりと過ごし、夕食後くらいからやっと元気になる
・仕事がはかどらない
・(女性のみ)PMSの悪化
このうち、4つ以上当てはまると副腎疲労の可能性があります。
ストレスに対する生活習慣
「腎」の機能が低下している状態を改善するための基本は身体を冷やさないことです。漢方では食べ物を陰性と陽性に分けたとき、陰性の食べ物は身体を冷やす作用があると考えます。「腎」の機能が低下しているときは陰性の食べ物は避けると良いでしょう。陰性の食べ物は、生の果物・コーヒー・白砂糖・パン(小麦)などがあります。できるだけ、加工食品や精製粉と砂糖が組み合わさった食品は避けましょう。しっかりと朝食を摂ることもおすすめです。
ストレスによってエネルギーが過剰に奪われている状態なので、何が自分のエネルギー泥棒になっているのかを把握し、できるだけ生活から取り除く、またはストレス源に対する認識をより良いものに転換することがストレス解消の鍵となります。
実生活での漢方の活用法
生活習慣の改善でも解消できない体調不良には漢方薬を取り入れることがオススメです。ストレスに関わる臓器は「腎」だけではありません。情緒・自律神経のコントロールを司ると考えられている「肝(かん)」もその1つです。漢方では「腎」と「肝」それぞれにフォーカスを当てて、身体の不調の深さに合わせ、適切な生薬を組み合わせて治療します。
漢方は単なる薬ではなく、生活全体を見直すきっかけにもなります。ストレスの多い現代において、漢方の知恵を活用し、心身のバランスを整えることは長期的な健康をか実現するのに有効といえるでしょう。
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